2020.07.28 うつ病

「うつ病」という病名はよく耳にする病気ではないでしょうか?
今回はうつ病の主な症状と、うつ病の前兆となるような症状をご紹介させていただきます。
早期にうつ病のサインに気づくことで、早期発見、早期治療へつなげることができます。
目次

うつ病は実は誰でもかかりうる身近な病気です。
近年様々なストレス増加からうつ病患者は増加しているといわれています。
調査によると16人に1人が生涯にうつ病を経験しているともいわれています。
それほど「うつ病」は誰にとっても発症する可能性のある身近な病気なのです。
人は普段の生活の中で「悲しいこと」「嫌な事」があったりすると、
気分が落ち込んだり、やる気がなくなったりすることがあります。
「うつ病」はこれらのような日常生活で感じる一時的な気分の落ち込みではなく、
一日中、数日と渡って長期的に激しい気分の落ち込み、興味や喜びの喪失が継続し、
日常生活に支障をきたす状態になります。

こころの病の中で代表的な「うつ病」の症状は、多岐にわたっています。
診断基準だけではわかりにくい症状も「うつ病」の症状の可能性があります。
具体的には、「うつ病」によって【体に出る症状】と、【こころにあらわれる症状】があります。
このように体やこころに様々な症状がでるのが「うつ病」なのです
また、上記以外の症状に、高齢者が「うつ病」になると「仮性認知症」といって
「うつ病」による思考力の低下により実際には認知症ではないのに、
記憶障害や反応性の低下がおこり認知症のような症状が出てしまうことがあります。

「うつ病」でも妄想が出る方も見えます。
自尊心の低下や思考力の低下から生ずる妄想であり、「貧困妄想、罪業妄想、心気妄想」が見られることがあります。
「貧困妄想」は、お金がないと思い込む妄想です。
実際には無いのに、多額の借金をしてしまったなどと言われる方もみえます。
「罪業妄想」は、自分は罪を犯していると思い込んでしまうものです。
世の中で起きてる悪いことは、すべて自分のせいだと思い込んでしまいます。
「心気妄想」は、重大な病気や不治の病を患ってしまったと思い込む妄想です。

ご自身やご家族が、すこしでもおかしいな?当てはまるものがあるな!と思ったら
お早めに病院にご相談してみてください。
うつ病の治療はほかの病気と同様に「早期発見」、「早期対応」が重要になります。
早めの対応をすることで、その後のスムーズな治療へとつながり、
より早期の回復につながります。
特に以下のような症状に気づいたら、早めの対応をすることをおすすめいたします。
ご自身が、自分の落ち込みなどが異常だと気づいて受診することが望ましいですが、
なかなか受診をためらうこともしばしば見受けられます。
うつ病は誰でもかかりうる病気であることを周知いただき、
うつ病サインに気づいたら、身近な存在であるご家族や職場の方が声をかけ、
受診を促すなどのサポートをしてあげることも大切です。
その際には、「最近おかしいよ」とか「へんだよ」など
否定的な言葉はあまり望ましくはありません。
できれば、
「最近疲れているみたいだから、少し休んだら」
「体調を整えるために相談しに行こうよ」
などと寄り添うような言葉かけをしてあげましょう。
副理事長 加藤 豊文
精神科医
精神保健指定医
認定産業医、精神科専門医・指導医(日本専門医機構)
認知症診療医(日本精神神経学会)
認知症臨床専門医(日本精神科医学会)
認知症サポート医
老年精神医学会認定医
臨床研修指導医
児童思春期精神医学対策講習会スタンダードコース終了(日本精神科病院協会)
児童思春期精神医学対策講習会アドバンスコースⅠ終了(日本精神科病院協会)
産業保健アドバイザー
名古屋平成看護医療専門学校 看護学科 非常勤講師
| 専門分野等 | 精神医学一般、うつ病リワーク、認知症 |
|---|---|
| 所属学会 | 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本老年精神医学会、日本アロマセラピー学会 MCT-J(メタ認知)ネットワーク会員など |
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Publications
当院理事長 加藤鈴幸医師と副理事長 加藤豊文医師の著書が出版されました。
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