2025.09.16 うつ病

認知症と間違えられやすい老年期のうつ病

うつ病は、様々な年齢で発症します。若年者のうつ病は、気分の落ち込み、意欲の低下が訴えられることが多いですが、高齢者のうつ病は気分の落ち込みよりも物忘れや集中力の低下、意欲の低下などによって家事や炊事やいままでおこなっていた身の回りのことができなくなることがしばしばみられます。

そのため「認知症ではないか」とご家族が心配になることも多いです。老年期のうつ病は仮性認知症とも呼ばれていてうつ症状による思考力の低下、判断力の低下により認知症と間違えられることが多く仮性認知症と言われます。

老年期のうつ病では心気的な訴えが多くなり
「頭がふらふらする」、「便がすっきり出ない」「しびれがある」「痛みがとれない」などの体に関する不安が多くなり、精査して問題なくても不安がぬぐえないことが多く見られます。患者さんご本人はこころの病気とは全く思わないため、精神科への治療につながりづらく治療が遅れてしまうこともあります。

 

早期治療により症状の回復が見込めます

老年期うつ病は早めに診断し、適切な薬物療法及び環境調整等により症状の回復が見込めます。薬物治療としては、SSRIやSNRIなどの副作用の比較的少ない抗うつ薬をメインに治療を行い、症状に合わせて睡眠薬や抗不安薬を適時使用します。

老年期のうつ病では、食欲の低下や睡眠障害により体力的な低下が著しいときや希死念慮など強い場合は入院加療も検討されます。

 

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この記事を書いた人

副理事長 加藤 豊文

精神科医
精神保健指定医
認定産業医、精神科専門医・指導医(日本専門医機構)
認知症診療医(日本精神神経学会)
認知症臨床専門医(日本精神科医学会)
認知症サポート医
老年精神医学会認定医
臨床研修指導医
児童思春期精神医学対策講習会スタンダードコース終了(日本精神科病院協会)
児童思春期精神医学対策講習会アドバンスコースⅠ終了(日本精神科病院協会)
産業保健アドバイザー
名古屋平成看護医療専門学校 看護学科 非常勤講師

専門分野等精神医学一般、うつ病リワーク、認知症
所属学会日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本老年精神医学会、日本アロマセラピー学会 MCT-J(メタ認知)ネットワーク会員など
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