2021.01.13 お役立ち情報

最近、「同じことを何回も聞いてくる」、「物忘れが多くなった」など
気になる症状がご自身や家族にありませんか?
昨今の高齢化により認知症が増加傾向にあります。
今回は認知症の主な症状についてお話させていただきます。

年齢の経過とともに覚えが悪くなったり、なかなか記憶が思い出せなくなるような
「もの忘れ」が多くなることは誰しも起こることです。
このような「もの忘れ」は脳が老化することで発生するものです。
しかし認知症とは老化によるもの忘れとは異なり、
記憶や判断などする脳の機能が何らかの原因により低下し、
生活に支障が出てしまうような状態をさします。

< 認知症の症状とは >
認知症の症状は、中核症状とBPSDにわけられています。
中核症状は、脳の神経細胞が障害されることにより引き起こされる症状で、
「認知機能障害」と言われています。
それに対して、BPSDは中核症状のため周りとの関わりにおいて生じてくる症状で
「認知症の行動・心理症状(BPSD)」と言われています。
BPSDは、認知症の進行度合いとは関係なく、認知症の初期からみられることがしばしば見られます。
【中核症状の具体的な症状とは】
(1) 記憶障害・・・最近のことが思い出せない。出来事自体を忘れてしまう。
(2) 遂行機能の障害・・・物事の計画がたてれない、段取りができないなど
(3) 失語・・・物の名前がでない、言葉のしめす意味がわからない
(4) 失行・・・道具をうまく使えない、服が着替えられないなど
(5) 失認・・・視覚の障害はないのに、それが何か理解できない(認識できない)
※中核症状により徐々に自分でできることが減っていき、日常生活にサポートが必要な状態へとなっていきます。
【BPSDの具体的な症状とは】
(1) 幻覚・・実際にないものが見えたり(幻視)、人の声が聞こえたり(幻聴)
(2) 妄想・・ものとられ妄想、被害妄想など
(3) うつ状態・・気分の落ち込み、悲壮感、食欲の低下など
(4) アパシー・・無気力・意欲の低下
(5) 徘徊・・外を歩き回り迷ってしまう
(6) 暴言・暴力・・怒りっぽくなり大声をだしたり、介護者への抵抗が強くなる
(7) 睡眠障害・・昼夜逆転してしまい、夜が眠れなくなる
※BPSDは、介護する上で問題となることが多く、本人だけでなく介護者(ご家族等)の負担も多くなっていきます。
上記に挙げたように認知症により様々な症状が出てくることがあります。

上記に挙げたような症状が見られ、認知症かな?と思ったら、
早めに精神科をへご相談することをおすすめいたします。
衣ヶ原病院では認知症専門外来を設けております。
不安な点がございましたらまずはお気軽にご相談ください。
副理事長 加藤 豊文
精神科医
精神保健指定医
認定産業医、精神科専門医・指導医(日本専門医機構)
認知症診療医(日本精神神経学会)
認知症臨床専門医(日本精神科医学会)
認知症サポート医
老年精神医学会認定医
臨床研修指導医
児童思春期精神医学対策講習会スタンダードコース終了(日本精神科病院協会)
児童思春期精神医学対策講習会アドバンスコースⅠ終了(日本精神科病院協会)
産業保健アドバイザー
名古屋平成看護医療専門学校 看護学科 非常勤講師
| 専門分野等 | 精神医学一般、うつ病リワーク、認知症 |
|---|---|
| 所属学会 | 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本老年精神医学会、日本アロマセラピー学会 MCT-J(メタ認知)ネットワーク会員など |
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Publications
当院理事長 加藤鈴幸医師と副理事長 加藤豊文医師の著書が出版されました。
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