2021.06.5 お役立ち情報

もしかしてアルツハイマー型認知症かも?

認知症のなかでも多い「アルツハイマー型」

認知症の中でも「アルツハイマー型認知症」は、最も多くの患者様がいるといわれています
今回はアルツハイマー型認知症について、その原因や治療方法などをご紹介いたします。

 

 

アルツハイマー型認知症の原因とは

アルツハイマー型認知症になる原因は、脳の中にアミロイドβなど
「脳のごみ」と呼ばれる不要なたんぱく質が溜まってしまうことです。
このアミロイドは、認知症を発症する20年も前から沈着し始めるといわれています。

このアミロイドが溜まることにより脳の神経細胞が変性し、
死滅してしまい正常な機能が果たせなくなってしまうのです。
アルツハイマー型認知症では特に脳の側頭葉の海馬や頭頂葉の神経細胞が死滅して結果として萎縮していき、
認知症の症状が出現します。

アルツハイマー型認知症は、認知症のなかで最も多くみられ、
症状は「物忘れ」などの「記憶障害」から始まり、
自分のいる場所や時間などがわからなくなる「見当識障害」
さらに進行すると「物盗られ妄想」
「徘徊」などの症状がみられるようになります。

アルツハイマー型認知症の記憶障害では、特に数分前の近時記憶から障害されます。
また、徐々に進行するとエピソード記憶(誰かとどこかに出かけたなどの記憶)も障害されてきます。

 

アルツハイマー型認知症の治療について

<アルツハイマー型認知症の治療薬>

認知症には現在根本治療をできるお薬はなく、
認知症の症状の進行を遅らせるお薬のみ存在します。

アルツハイマー型認知症では、物忘れなどの記憶障害、
時間や場所などの見当識障害等の中核症状がみられますが、
それらの症状に対して効果があるとされるお薬が4種類存在します。

また、認知症では中核症状だけでなく、怒りっぽくなったり、意欲がなくなったり、
暴言を吐いたりなどBPSDといわれる介護するうえで大変お困りになる症状が認められる方もおられます。
このようなBPSDについても効果を期待してお薬が処方されることもあります。

このようなお薬は、できるだけ認知症の早期から使用することで
認知症の進行をゆっくりさせる効果が期待できますので、
認知症かな?と思ったら早め病院を受診してみてください。

このようなお薬は、できるだけ認知症の早期から使用することで認知症の進行をゆっくりさせる効果が期待できますので、認知症かな?と思ったら早め病院を受診してみてください。

 

最近物忘れが多い?早めの検査をおすすめします

もし、ご家族で最近物忘れが多いかな?と感じたら
早めに病院受診をして認知症の検査をしてもらいましょう。

また、ご家族がアルツハイマー型認知症になると、
何度も同じ話をしたり、物の名前がわからない、使い方がわからないなどの症状のため、
一緒に生活されているご家族はストレスを感じることがあるかもしれませんが、
すぐに否定せず、
ご本人ができるだけ過ごしやすい環境を整えてあげることが大切です。

また、物盗られ妄想では、一番身近に過ごしているご家族が犯人にされることも多いため、
そのようなときは探し物を一緒にして必ずご本人に見つけていただくことが介護のポイントとなります。

 

認知症かな?と思ったら早めのご相談を

上記に挙げたような症状が見られ、アルツハイマー認知症かな?と思ったら、
早めに精神科をへご相談することをおすすめいたします。

衣ヶ原病院では認知症専門外来を設けております。
不安な点がございましたらまずはお気軽にご相談ください。

 

 

この記事を書いた人

副理事長 加藤 豊文

精神科医
精神保健指定医
認定産業医、精神科専門医・指導医(日本専門医機構)
認知症診療医(日本精神神経学会)
認知症臨床専門医(日本精神科医学会)
認知症サポート医
老年精神医学会認定医
臨床研修指導医
児童思春期精神医学対策講習会スタンダードコース終了(日本精神科病院協会)
児童思春期精神医学対策講習会アドバンスコースⅠ終了(日本精神科病院協会)
産業保健アドバイザー
名古屋平成看護医療専門学校 看護学科 非常勤講師

専門分野等精神医学一般、うつ病リワーク、認知症
所属学会日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本老年精神医学会、日本アロマセラピー学会 MCT-J(メタ認知)ネットワーク会員など
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