認知症:レビー小体型認知症とは?

レビー小体型認知症は、アルツハイマー型認知症に続き2番目に多い認知症です。
認知症の約20%を占めるほど頻度が多い認知症です。

脳の神経細胞にαシヌクレインというたんぱく質などからなるレビー小体という物質が沈着することで
神経細胞の変性がおきて脳の機能が低下するため認知症症状が発症するといわれています。

 

 

レビー小体型認知症の症状

 

レビー小体型認知症では認知機能の低下の他に、
次のような特徴的な症状が見られます。

①認知機能の変動
頭がはっきりしているときと、そうでないときの差が激しい

 

②幻視
実際には存在しない人や虫などがありありと見える

 

③パーキンソンニズム
手の震えや体の動きが固くなったり、少なくなったり、遅くなったりする

 

④レム睡眠行動異常
寝ているときに大きな声で寝言を言ったり、暴れたりする

 

⑤自律神経症状
起立性低血圧、排尿障害、消化管運動障害など

 

レビー小体型認知症の検査方法

レビー小体型認知症の検査には以下のような検査方法があります。

  • 認知機能検査
  • 頭部CT検査
  • MRI検査
  • 脳血流SPECT検査
  • MIBG心筋シンチグラフィ

 

レビー小体型認知症の治療について

レビー小体型認知症の治療は、
ドネペジルがレビー小体型認知症の幻視などの症状や
認知機能低下の進行を抑制する働きがあり使用します。

幻視等に関しては漢方薬である抑肝散が有効であるため利用することもあります。
また、その他幻聴等の精神症状については抗精神病薬を使用することがありますが、
レビー小体型認知症の方では薬剤感受性が高く
副作用がでやすいため少量で使用します。

 

<介護の注意点など >

幻視の症状に対しては、部屋を明るくしたりして見間違いが起きにくいように配慮します。
起立性低血圧のためふらつきがあったり、
パーキンソンニズムで転倒の危険性がある場合には、
介助者がサポートしながら運動をしたりして、筋力の低下を予防しましょう。

レビー小体型認知症は、うつ症状が出たり、
幻視や幻聴のなどの精神症状やパーキンソンニズムといった神経症状、
自律神経症状など様々な症状が出やすい病気です。
認知症の疑いがあれば早めに認知症専門医療機関を受診することをお勧めします。

 

認知症かな?と思ったら早めのご相談を

上記に挙げたような症状が見られ、レビー小体型認知症かな?と思ったら、
早めに精神科をへご相談することをおすすめいたします。

衣ヶ原病院では認知症専門外来を設けております。
不安な点がございましたらまずはお気軽にご相談ください。