2021.12.18 うつ病

今回は、「気分障害」特に「うつ病」における治療の流れについてご説明します。
うつ病をはじめとして、心の病の回復の過程は、
・「急性期」
・「回復期」
・「再発予防期」
と分けることができます。
各過程についての特徴を以下にご説明させていただきます。

「急性期」は、うつ病では気分の落ち込みや意欲の低下、睡眠障害、食欲の低下などの症状がもっとも強く出ている時期です。
この時期は、考えもまとまらず、意欲もないため、家に閉じこもってしまう生活になりがちです。
この時期には、十分な休養と適切な薬物療法が必要となります。
そのため、症状がひどければ(希死念慮や食事がうまく取れない、睡眠がとれない)入院加療も必要となることもあります。
症状を改善するには、生活リズムの安定と食事、服薬がしっかり守られていることがとても大切となります。

次に、「回復期」ですが急性期の症状が軽快してくると徐々に体も気持ちも軽くなってくるはずです。
でも、ここで焦りは禁物です。ここで、無理をしてしまうとまた、症状の悪化を招いてしまします。
仕事など社会復帰を目指すには、ゆっくりと慣らしていくことが大切となります。
そのため、デイケアやリワークプログラムなど利用して体や頭も徐々に使い、
日常生活リズムを整えていくことがよいでしょう。
特に、職場復帰を目指す方にはリワークプログラムを利用して決められた時間に出勤し、
決められた時間内に与えられた事ができるようにし、
こころと体の持久力をつけていくことが復職への近道となるでしょう。

「再発予防期」では、症状が改善し社会復帰後も薬物療法は続けることが大切です。
少なくとも半年程度は服薬が必要となるでしょう。
また、ご自身で判断しお薬を飲むことを中断することは禁物です。
思わぬ副作用や症状の悪化もおこりえますので、必ず主治医と相談しながらお薬を徐々に減らしていきましょう。

うつ病の治療には病気の進行段階によって、適切な治療をすることがとても大切です。
衣ヶ原病院では、急性期の入院加療を目的とした病棟や
休養加療のためのストレスケアユニットもあり多職種のチーム医療治療をおこなっております。
また、回復期には疾患別デイケアプログラムや
復職支援のためのリワークプログラムもご利用いただけます。
是非とも入院のご希望やリワークプログラムなど
ご利用のご希望がございましたらお気軽にご相談ください。
副理事長 加藤 豊文
精神科医
精神保健指定医
認定産業医、精神科専門医・指導医(日本専門医機構)
認知症診療医(日本精神神経学会)
認知症臨床専門医(日本精神科医学会)
認知症サポート医
老年精神医学会認定医
臨床研修指導医
児童思春期精神医学対策講習会スタンダードコース終了(日本精神科病院協会)
児童思春期精神医学対策講習会アドバンスコースⅠ終了(日本精神科病院協会)
産業保健アドバイザー
名古屋平成看護医療専門学校 看護学科 非常勤講師
| 専門分野等 | 精神医学一般、うつ病リワーク、認知症 |
|---|---|
| 所属学会 | 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本老年精神医学会、日本アロマセラピー学会 MCT-J(メタ認知)ネットワーク会員など |
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Publications
当院理事長 加藤鈴幸医師と副理事長 加藤豊文医師の著書が出版されました。
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